金沢大学21世紀COEプログラム『環日本海域の環境変動と長期・短期変動予測』

 事業推進担当者

地盤や岩盤の力学的変動解析と破壊プロセスの解明

教 授  矢 富  盟 祥

自然科学研究科 環境科学専攻
環境創成講座
[ yatomi@t.kanazawa-u.ac.jp ]


 活断層の急速な地殻変動による地震や地滑り崩壊などの防災対策を行うためには,それらの力学的メカニズムを解明する事が非常に重要です。そのためには,地質や岩盤の力学的特性を明確にし,地殻や地盤を連続体と考え,断層や地滑り面を変位の不連続面とみなした連続体力学を使用します。最近では,コンピュ−タ-の飛躍的発展により,その連続体を有限な要素に細かく分割して解く有限要素法という数値解析手法により,各点の変位や応力などの解が非常に精度良く得られるようになりました。

 しかしながら,現在,汎用されている有限要素法解析では,断層や地滑り面などの変位の不連続面は,その要素辺上に沿ったものに限定されていました。したがって,この方法だと,不連続面の進展方向は,あらかじめ設定された方向に限定されるため,不連続面が進展するたびに非常に面倒な作業である要素の再分割が必要となります。そこで,本研究では,下図のように,不連続面を要素内部に考える事が可能な新しい有限要素法の開発を行い,要素の再分割を必要とせず,実際現象に現れるような滑らかな不連続進展挙動をとらえることにより地震や地滑り崩壊の力学的メカニズムを解明する研究を行っています。

 また,地層内の地盤や岩盤を弾塑性体と仮定された場合でも,計算時間が早く,軟化・不安定状態になっても,解が絶対収束する事が保証され,精度の非常に良い解が得られるリタ−ンマップ手法を用いた微小変形および有限変形の場合の陰解法による新しい固・液連成系の有限要素法解析プログラムの開発を行っています。











































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