金沢大学21世紀COEプログラム『環日本海域の環境変動と長期・短期変動予測』

 拠点リーダー挨拶

   
早 川  和 一

拠 点 リ ー ダ ー

 日本海は,日本列島,朝鮮半島及びユーラシア大陸に囲まれた縁海であり,水産資源など豊富な自然資源に恵まれています。しかし,大陸と海溝に挟まれて地震や火山活動の盛んな地帯であるとともに,その両端は狭い海峡でタンカーや沿岸の工場の事故など人為的原因による化学物質や放射能汚染にはきわめて弱い閉鎖的な海域であります。一方,日本及び日本海を挟んで対岸に位置する中国,北朝鮮,韓国,ロシア諸国は,大きな人口を抱えて産業や経済が急速に発展しつつあり,著しい変革を遂げる地域であります。

 これら地域の産業活動は大量の化石燃料の消費によって支えられていますが,それに伴って排出される二酸化炭素や酸性物質,燃焼粉塵は,黄砂などの自然由来の物質と相まって近年の地球規模の環境変動を誘発する大きな要因と考えられ,環日本海域は世界の環境科学者が最も注目する地域の一つです。今後の災害を未然に防止し安全で豊かな国際社会を形成するために,環日本海域環境の長期的,短期的変動の予測とそれに基づく保全・災害防止対策の構築は極めて重要な課題であります。

 本プログラムでは,我が国の日本海側の基幹大学である金沢大学の大学院自然科学研究科地球環境科学専攻を環日本海域諸国の研究機関との国際共同研究の中核拠点と位置づけ,この地域を対象とする高感度環境計測法の開発とそのデータ情報ネットワークの構築,それに基づく環境変動の予測,有用資源の保全と有効活用,災害防止に関する研究教育を行うものです。




































































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