金沢大学21世紀COEプログラム『環日本海域の環境変動と長期・短期変動予測』

 事業推進担当者

大気汚染物質曝露を評価するバイオマーカーの開発


講 師  鳥 羽  陽

自然科学研究科 環境科学専攻
環境動態講座
[ toriba@p.kanazawa-u.ac.jp ]


 都市の大気浮遊粒子や自動車排気ガス中の粒子状物質には、多環芳香族炭化水素(PAH)類やニトロ多環芳香族炭化水素(NPAH)類などの発ガン性の疑われる多くの化合物が含まれています。私たち人間は、職場環境、ディーゼル排ガス、タバコ煙といった様々な発生源に由来する発ガン物質に曝露していますが、食生活や喫煙等の生活習慣、及び生体内での吸収、分布、排泄に個人差があるため、個人によってそれらの曝露量が大きく異なることは容易に想像できます。

 私たちは、PAHやNPAHなどの発ガン物質について、ヒトの組織や体液中の代謝物等の測定値から正確な個人曝露量を直接評価するためのバイオマーカー(生物学的指標)の開発に取り組んでいます。私たちは、尿中に排泄されるPAHやNAPHの代謝物に関する分析法を開発し、尿中代謝物が有用なバイオマーカーとなることを明らかにしました。また、タバコ煙やディーゼル排ガスなどの特定の発生源に特異的なバイオマーカーも見つかっています。

 環日本海域に位置する国々、特に中国、ロシアでは急速な産業や経済の発展と共に化石燃料の消費量も飛躍的に増大しており、深刻な大気汚染も懸念されています。本研究では、バイオマーカーを指標として、環日本海に位置する国々におけるPAHやNPAH曝露の実態や発生源の寄与を調査します。このことにより、発がん物質の曝露量を低減するための職場環境や生活環境の改善点を見出すことが可能になります。

 













































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