情報通信技術を用いた統合型地球環境計測システム
教 授 村 本 健 一 郎 自然科学研究科 電子情報科学専攻 知能情報・数理講座 [ muramoto@t.kanazawa-u.ac.jp ] |
地球環境は観測のスケールによりしばしば異なった特性を示します。従って,環境の変化を検出するためには時空間スケールを決定しなければならなりません。
降水は気象の重要な要素であり,雨,雪,あられ,霧などからなります。降水の形成は,その源の雲と雲から地上までの大気の状況により決まります。降水量の変動は地上の生き物に多大の影響を与えます。
森林は地球の生き物が住みやすい環境を保つために重要な役割を果たしており,森林資源の管理と維持は重要です。植生は時間的にも空間的にも変化しますが,最近,東アジア地域では,人間の活動および環境の影響によって植生が急激に変化し,気候にも影響を与えている兆候がみられます。広域環境変化の時空間的解析には植生の定量的情報は重要です。
さまざまな種類の測定器(降雪画像観測装置,レーダ,ライダなど)と衛星リモートセンシングデータを用いて,気象と植生を時空間的に計測・解析しております。衛星からは広域的に環境を観測できますが,衛星データを十分に活用するためには地上データもまた必要不可欠な情報です。
情報通信技術を駆使して,地上観測データの集録,リモートセンシングデータの解析,モデリング,GIS(地理情報システム)などを含めた統合型地球環境計測データベースシステムの構築を行っています。