辰口および舳倉島をモニタリング拠点とする大気中の
222Rn,
210Pb, 210Po 及び 7Beの測定
教 授 小 村 和 久 自然計測応用研究センター |
大気中の222Rn, 210Pb, 210Po及び宇宙線生成核種7Beを辰口および能登半島輪島沖50km,日本海を隔てた対岸から600-800km離れていて環境変動に極めて鋭敏と考えられる舳倉島の2地点で定点観測し,本州と大陸の影響の分離評価を試みます。
大気浮遊塵付着の210Pb, 210Poおよび7Beは2台(場合によっては3台)のハイボリュームサンプラーを用いて石英繊維フィルター上に捕集します。サンプリングは辰口では基本的に1日,舳倉島では1週間単位で行うが,雷雨,台風接近時等の急激な気象変動時は1-2時間間隔でサンプリングします。また,スキー場などの高所との同時サンプリングを行い,放射性核種ひいては大気の上下方向の移行・混合に関する解析も試みます.サンプリング地点をFig. 1に示します。
γ線放出核種210Poと7Beは旧尾小屋鉱山トンネル内の極低バックグラウンドGe検出器による非破壊γ線測定により測定し,α線放出核種210Poはフィルターの一部(1/4)を取り化学分離後α線計測により測定します。また,210Pbと210Poの親核種でデータ解析に必要な222Rn濃度の測定は名古屋大学と共同で1時間間隔で行います。
本研究では210Pbと7Beの変動を従来より1桁高い時間分解能で測定することが可能であり,大気の輸送,混合について新しい知見が得られるものと期待されます。