金沢大学21世紀COEプログラム「地球環境学セミナール」として,バイカルサマースクールが開催された。

 2003年度に引き続き名古屋大学との共催であるが,今年はCOEプログラムとしての共催である。

 2回目の今回は,参加希望者の増加を受けて2隻の船をチャーターして行った充実したものであった。とくにロシアの学生の参加者が増えたことは,学生同士の学術交流という点でも好ましい変化であった。ロシアの学生は主として生物学をバックグラウンドしており,地球科学を専攻している学生が多かった日本側の参加学生とは,お互いの専門分野に関する船上の作業について説明を交換し情報を共有することを通して,新たな知識を得るとともに,国際コミュニケーションのいろはも経験できる結果となった。またイルクーツクの研究所に滞在中,モンゴル・フブスグル湖の国際掘削プロジェクトで採取された試料の処理が行われており,大プロジェクトの一端を見学できたのも幸運であった。
 昨年度と比較して残念だったのは天候である。8月中旬というこの時期には珍しく冷え込み風雨がきつかったため,船上の作業が著しく困難であった。スクールとして計画していたプログラムは完了したものの,深部からの水の採取は難しく,デモンストレーションに終わってしまったことが残念であった。また学生諸君にはつらい航海であったことと思う。
 昨年度はスクールで採取した試料の郵送について若干問題が生じ,帰国後に試料を用いた更なる実習を行うことが難しかったが,本年度は昨年の経験を生かし,スムーズに試料を移送すことができた。今後は実験室での作業について実習を行い,スクールとして結果を出していきたいと考えている。


            第2回名古屋大COE・金沢大COE共同企画

ロシア・バイカル湖巡検サマースクール2004
















 












写真は以下のとおり

1.バイカル湖周辺域の見学
2.バイカル湖コアサンプリング
3.コアカットと作業見学      
4.陸水学研究所見学
5.鉱物博物館見学